【鉄道】2014年1月21日JR東日本EV-E301系甲種輸送
2014年1月21日(火)、JR東日本総合車両製作所(神奈川県横浜市金沢区)よりJR東日本烏山線(宝積寺ー烏山)用の最新鋭蓄電池駆動電車システムを搭載したEV-E301系(V1編成)が出場しました。
非電化区間を蓄電池の電力により自走する商用実用化初の車両です。2014年3月のダイヤ改正から運転を開始するそうです。
EV-E301系 E300(Mc')
上部運転台が205系で下部が209系をそれぞれ足したようなデザインですね
EV-E301系蓄電池車両
京浜急行逗子線神武寺ー新逗子間
烏山線については、殆ど馴染みが無かったので調べてみたところ、栃木県の東北本線宝積寺駅から烏山駅までの約20Km、8駅の地方交通線。開通は1923(大正12)年とかなり歴史のある路線。現在はキハ40系1000番台ロングシート車8両が在籍。全ての列車が宝積寺ー烏山間を運転。一部を除き宇都宮発着。将来的にはすべてが、このEV-E301系に置き換えられる予定だそうです。
EV-E301系の仕組みは出発前(または電化区間走行中)に架線から直流1500Vを集電して蓄電池(600V 95kwh×2)へ充電。非電化区間では蓄電池の電力を動力源としてVVVFインバータ制御にて交流同期電動機を駆動させて走行。制動時には回生ブレーキより発生する電力を充電。
HB-E300系(リゾートビューふるさと)(2010年6月3日東急車輛出場(当時))がトヨタのプリウス(厳密には駆動方法が違いますが)なら、EV-E301系は日産リーフなどの電気自動車と同じような仕組みですね。
EVとはEnegy strange Vehieの略だそうです。
烏山方のパンタグラフ付きEV-E301
終点の烏山駅では商用電源交流6600V(街中の電柱で一番上に通っている3本の電線=三相交流)を受電・降圧・整流し直流1500Vの電力設備を設置。鋼体架線により給電しEV-E301系に再び充電。
片道運転ごとに充電する必要があるのかどうか分かりませんが、1両40トン近くあるものが片道20kmを床下に収まる大きさのリチウムイオン電池で走るなんて、素晴らしい技術革新ですね。
なお、直通する東北本線の直流電化区間(宇都宮ー宝積寺間)においては普通の電車と同じように走行するそうです。
蓄電池車と言うまったく新しいジャンルの車両ですね。
今回出場したのは2両(V1編成) 機関車次位の前面はビニルシートで覆われています
愛称は「ACCUM」(アキュム)
車種は新形式EV-E301(Mc)とEV-E300(Mc')の2種類、301にはシングルアームパンタグラフ2基が設置され、それぞれの車両に蓄電池(600V-95kwh)が設置されています。
最高速度は100km/h、全席ロングシート、トイレなし。キハ40系と比較して60%のCO2排出削減効果および低騒音化が見込めるそうです。
ちなみに小海線で活躍するハイブリッド気動車キハE200は10%の削減だったそうです。
左が烏山方のパンタグラフ付きEV-E301(2号車)Mc、
右が宇都宮・宝積寺方のEV-E300(1号車)Mc'
片側3扉手動ボタン付き、側窓は2:1タイプ、
EV-E301後位床下にリチウムイオン蓄電池がついています
Li-ionのマークが目立ちます
EV-E301床下のリチウムイオン蓄電池
03,04,05と書いてあるので、裏側には01,02とあるのでしょうか
EV-E300後位にもリチウムイオン蓄電池がついています
301、300とも蓄電池容量は同じですが300は箱が2個です
こちらは07,08
クモハなどの形式称号は無いようです 所属は大宮支社小山車両センター
今日の牽引機はDE11 2004
今日は短い3両編成
簡易的なブレーキ用のコンプレッサーか空気溜めでしょうか
逗子駅停車中の横須賀線車両から撮影
◼︎参考◼︎
・東日本旅客鉄道プレスリリース、2012年11月6日「スマート電池くん」を実用化し、烏山線に導入します。
・Response、2013年12月4日 JR東日本、烏山線の蓄電池電車の愛称「ACCUM」に…2014年春から運転開始
・非電化区間(および新鶴見信号場まで)牽引…神武寺ー逗子駅間 DE11 2004
◼︎輸送編成(各種情報による)
DE11 2004 + EV-E301-1 = EV-E300-1(最後尾)
新鶴見から宇都宮までは EF65 2081
◼︎運転経路(各種情報による)
逗子ー(横須賀線)ー大船ー(根岸線)ー桜木町ー(高島線)ー鶴見ー(品鶴線)ー新鶴見ー(武蔵野南線)ー府中本町ー(武蔵野線)ー西浦和ー(東北本線)ー宇都宮