【鉄道】2019年度甲種輸送・新製出場のまとめ その2
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2019年度の横須賀線逗子駅での甲種輸送のまとめ動画を作成しました。
また、甲種輸送の概要について書いていきたいと思います。
甲種輸送とは
正式には甲種鉄道車両輸送といい、車両工場で製造されたり改造を行う際に主にJR貨物の機関車の牽引によって貨物列車として輸送されるものを甲種輸送と言います。甲種があるからには乙種(輸送)と呼ばれるものもあり、これは大物(貨物)車に路面電車などを載せて輸送するもので、現在はトラックによる輸送が主体となり廃止されているそうです。
鉄道車両製造メーカー「総合車両製作所」
「総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所」とは神奈川県横浜市金沢区(京急金沢八景駅付近)にある鉄道製造メーカーです。2011年までは東急グループの「東急車輛製造」で東急電鉄をはじめとする私鉄車両のほか、国鉄・JRの車両が多岐に渡って製造されました。現在はJR東日本の子会社となっていますが従来どおり私鉄車両の製造も続けられています。総合車両製作所は他にもJR東日本が設立した新潟市にある「総合車両製作所新津事業所」があり、山手線のE235系などのJR東日本の車両のほか東急・小田急・相鉄・都営地下鉄の車両なども製造されています。
横浜事業所では2階建てグリーン車の製造設備があるそうで、E233系やE531系のグリーン車が製造された実績があります。今春登場が予定されている横須賀線の新型車両E235系のグリーン車もここで製造されますが、普通車については新津事業所で製造されるため、一旦新津まで甲種輸送を行い11両編成化された上でデビューするそうです。
線路幅の違う京急や京成の車両は・・・
JR線とレールの幅(軌間)の異なる京急の車両は兵庫県の川崎重工から、京成の車両は愛知県の日本車輌にて製造され、上記とは逆のルートで総合車両製作所に一旦入場し狭軌(1067mm)の仮台車から標準軌(1435mm)の本台車に履き替えが行われた後に出場します。
横須賀線逗子駅で行われる甲種鉄道車両輸送
逗子駅は横須賀線・湘南新宿ラインの旅客駅ですが甲種輸送発着のJR貨物の駅でもあります。横浜事業所で製造・改造された車両は京急線の終電後に横浜事業所の所有するDD55形ディーゼル機関車と元東急7200系電車によるプッシュプル運転によって金沢八景駅そばの同事業所を出発。京急逗子線の3線軌条となっている上り線路を通り、京急神武寺(じんむじ)駅横の引込線に留置されます。
その後日中にJR貨物新鶴見機関区所属のディーゼル機関車DE10(もしくはDE11)形が神武寺まで単機回送されます。連結後に京急神武寺駅横からJR逗子駅間はJR貨物の所有する専用線(米軍池子線)を経由し逗子駅に到着します。過去には秋田新幹線も入出場したことがあります。
輸送経路について
逗子駅からは横須賀線大船〜根岸線〜高島線〜新鶴見信号場(横須賀線新川崎駅そば)まで行き、その後はそれぞれの路線で到着駅まで輸送されます。JR東日本の首都圏車両については、逗子駅でDE10を切り離し、試運転列車として各車両センターまで向かいます。